機構の概要

 長崎大学では文部科学省の地域医療人育成GP(good practice)の指定を受けて、「へき地病院再生支援・教育機構」が新設され、地域で総合医を育成するプログラムとして平成17年度からスタートしました。長崎県の北部地区、平戸市の平戸市民病院に地域臨床教育拠点を設置し、地域医療の最前線で研修をおこなっています。
 3年間のGP終了後は、平戸市からの事業委託により、長崎県の支援も受けながら事業を継続しています。
 現在は、後期研修プログラムに加え、初期臨床研修の地域医療研修も担当しています。
 初期研修も、H18年は神鋼病院1施設のみでしたが、H21年度は、京都医療センターが加わり2施設、H22年度からはさらに横浜労災病院も加わり、3施設から研修医がやってきます。
 現在、地域医療は、医師不足による医療崩壊が止まりません。
 高い高齢化率、少ない医療資源の地域医療は遅れた医療なのでしょうか?
 高い高齢化率は、日本の高齢化社会の先取りであり、未来の医療です。
 少ない医療資源は、多職種との連携、病気にならないための対策、すなわちチーム医療や予防・保健活動を重視することです。
 また、患者さんの生活や背景、時には人生に密着できるのは地域ならではです。
 このような、地域の特性を活かした研修を展開していくことが、我々のプログラムの目的なのです。
沿 革
 平成17年
11月22日 長崎大学医学部・歯学部附属病院 へき地病院再生支援・教育機構スタート 
平戸市民病院と北松中央病院に地域臨床教育拠点を設置。地域医療人の育成を開始。
12月11日
~16日
カナダ、トロント大学医学部へ家庭医療と地域医療の視察
トロント大学 医学部 家庭・地域医療学科 ヘレン・バティ教授、カール・ハートウィック助教授との交流が始まる。機構の活動のスーパーバイザーとして協力。
 
 平成18年
3月14日 平戸市民病院でへき地医療やへき地の医学教育に関する「第一回平戸国際ワークショップ」開催 トロント大学から講師を招く
講師:トロント大学 ヘレン・バティ教授、カール・ハートウィック助教授
4月26日
「地域医療を考える」講演会 平戸市文化センター
講師:齋藤 寛 長崎大学長
6月 神戸 神鋼病院 から研修医が実習に来る
8月9日
~11日
第一回へき地医療を考える夏の企画
講演会:命を支える地域医療 講師:鎌田 實 諏訪中央病院名誉院長
平戸市民病院で地域医療実習とワークショップ 
10月~1月 長崎大学医学部4年生を対象の「へき地医療を考える医学ゼミ」開催
 
 平成19年
2月 医学ゼミ生による長崎県のへき地・離島医療体験実習
3月17日 「第二回平戸国際ワークショップ」開催
講師:トロント大学 ヘレン・バティ教授
4月1日 臨床研修協力施設となる
6月23日 研修プログラムが日本家庭医療学会の認定プログラムとなる
8月10日
~12日
第二回へき地医療を考える夏の企画
講師:村上智彦先生 夕張医療センター理事長
地域医療を考える講演会とワークショップを開催
10月~1月 長崎大学医学部4年生を対象の「へき地医療を考える医学ゼミ」開催
 
 平成20年
2月3日 カナダ-名古屋-長崎 国際医学教育シンポジウム
名古屋大学病院で開催
2月7日 「第三回平戸国際ワークショップ」開催
2月9日 文部科学省・(財)文教協会主催 GP合同フォーラムで優秀な取り組みとして発表
3月4日
~7日
平成19年度医学ゼミ生による へき地・離島医療体験実習
長崎県の離島やへき地の医療機関を見学
4月1日 へき地病院再生支援・教育機構が平戸市の事業委託で地域医療人育成を継続
臨床教育拠点が 平戸市民病院と 生月病院となる
4月26日 市民公開講座、平戸市生涯学習講座 平戸市文化センター
「平戸と大学で育てる地域医療:地域から総合医を育てる」
講師:瀬戸上健二郎先生 鹿児島県薩摩川内市 下甑島手打診療所
(ドクターコトーのモデルとなった先生)
8月8日
~10日
第三回第二回へき地医療を考える夏の企画
講師:前沢政次先生 北海道大学医学部教授
講師:古垣斉拡先生 千葉県立東金病院
地域にお住まいの方々に参加して頂き、一緒に地域医療について考えた
9月5日 NHK長崎放送局 ながさきヒート 「あなたを元気に 僕も元気に」
武岡敦之先生の特集
後日ゆうどきネットワークで全国、NHKワールドプレミアムで全世界に向けて発信される
10月~1月 長崎大学医学部4年生を対象の「平成20年度 へき地医療を考える医学ゼミ」開催
 
 平成21年
3月 平成20年度医学ゼミ へき地・離島医療体験実習
長崎県の離島やへき地の医療機関を見学
4月1日 長崎大学 保健・医療推進センター へき地病院再生支援部門となり平戸市を中心にへき地の医療や地域包括医療を推進していく