初期研修医

吉岡 遼 (社会医療法人財団聖フランシスコ会 姫路聖マリア病院)
吉岡 遼 吉岡 遼
社会医療法人財団聖フランシスコ会 姫路聖マリア病院
平成26年6月2日~平成26年6月27日
(平戸市民病院)

 平戸の地に来てはや1ケ月が経過してしまいました。この1ケ月間は大変充実した日々で、本当にあっという間でした。平戸に着いた時は夜で、道路に街灯はなく真っ暗で、晩ご飯を食べようと飲食店を探すのにも苦労し、生活に不安を感じたのを覚えています。しかし、その不安はすぐに吹き飛びました。平戸市民病院の職員の方は皆さん温かく迎えてくださり、地域住民の方は非常に親切で、また海の幸は美味しく、すぐに平戸が好きになり、居心地がよくなりました。
 私自身地域医療に関する知識が乏しかったこともあり、平戸での研修は新発見の連続でした。まず医師と患者さんとの距離感が近いこと。まるで家族のように患者さんに向き合う光景は、今まで経験したことのないものでした。そして、病気を治すだけでなく患者さん本人の住居環境、家族環境などの社会的側面も含めて包括的、全人的な医療を行っているのが特徴でした。また、自身の専門分野に関わらず幅広い疾患に対応できる能力、いわゆる総合診療医としての技量が必要であると感じました。
 院外研修では訪問診療に参加させていただき、それぞれの患者さんのニーズに合った医療提供の重要さを学びました。訪問看護、訪問リハビリ、ケアマネ訪問にも同行させていただき、患者さんにどのようなサービスが必要なのかを考え、さまざまな職種が連携し合って患者さんの問題に取り組む姿勢が重要だと感じました。また、特定健診や出前講座にも参加させていただき、病気の予防のための活動に携わることができたのは貴重な経験となりました。
 本当に学ぶことが多く、有意義な1ケ月間となりました。この経験を今後の医師人生の大きな糧として、これからも診療に励もうと思います。温かく迎えてくださり、丁寧に指導してくださった職員の皆様、そして気さくに接してくださった地域の皆様に心よりお礼申し上げます。誠にありがとうございました。