初期研修医

𠮷田 啓佑 (独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
𠮷田啓佑 𠮷田 啓佑
独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院
平成26年6月30日~平成26年7月25日
(平戸市民病院)

 日も暮れてライトアップされた美しい平戸大橋をわたってようやく平戸に着いたと思いきや、平戸市民病院まではまだかなりの行程が残されており、街灯も少なく真っ暗な山道を友人と進む車中、「なんてとこに来てしまったんだ」と戦慄を覚えたのもまだ記憶に新しいですが、4週間の地域研修を無事終えた今ではいい思い出です。
 横浜生まれ横浜育ちであった僕ですが、職員の方々に暖かく接していただけたおかげで慣れない平戸の土地でも日々楽しく研修を送ることができ、あっという間に4週間が過ぎました。院内での研修のみならず、健診や訪問診療、出前講座など院外に出ることが多く、その度に平戸の中でもそれぞれの地域の顔を垣間みることができました。 
 診療の面では、総合的な幅広い知識が必要とされる現場で、家族・住宅環境など患者さんの生活背景まで意識するとともに、疾患の予防や生活習慣の改善を目標とした患者教育を実践し、かかりつけ医として地域住民の信頼を得ていた先生方の姿が印象的でした。特に離島である度島の診療所では乏しい医療資源の中で、疾患の頻度や病歴・身体所見を重視して可能な範囲でのベストの診療を行っているとのことで、島民と家族にも近い関係を築いていたのが心に残っています。 
 今回の研修で地域医療の現場を垣間みることで、自分の視野が広がるとともに、患者さんに寄り添う医療というものを肌で感じることができました。
 お世話になった先生方、病院のスタッフの方々、平戸の方々に深く感謝しています。
 この貴重な経験を糧にして更なる努力を重ねていきたいと思います。ありがとうございました。