横山 明弘 (長崎大学病院)
横山 明弘 | |
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長崎大学病院 平成26年8月4日~平成26年8月29日 (平戸市民病院) |
私は2年前大学5年生の時夏合宿で平戸を初めて訪れ、今回長崎大学病院で研修を行うにあたって、ぜひとも平戸で地域医療研修をやりたいと思っておりました。そしてこうしてまた夏の平戸で1か月間研修を行うことができてとてもうれしく、充実した日々を送ることができました。
平戸市民病院での地域医療研修ではたくさんの経験をさせていただきましたが、特に予防医学と在宅医療の在り方・重要性を実際の現場を通して考える貴重な機会となりました。
高齢化が進んでいた平戸市では健診や出前講座など予防医学に力を注いだ結果、医療費や介護保険費削減を実現しており、予防がいかに大切かということを肌で感じました。健康で長生きできる地域を創出するために、住民の方々が患者さんとして病院に来る前に医療者が介入してできることがあるということは自分にとって大きな発見でした。
現在私が研修を行っている長崎大学病院は病床数862床と非常に規模が大きく、一人の患者さんとの接点が病院の中で完結してしまい、病院にいるときの患者さんがその全てであるかように錯覚してしまっていました。訪問診療・看護・リハビリ・ケアマネ訪問など在宅医療を実際に体験し、患者さんの生活の実際を見ることで、病院で接するだけでは得られない生活背景や大切にされている文化などがたくさんあることを学びました。それぞれの人の日々の暮らしの一部に医療があり、患者さんとそのご家族の日常生活の中で対話を繰り返すことで、一人一人の価値観や生活観に沿った医療・福祉を提供できることこそが地域医療の醍醐味なのだと感じました。
地域全体で高齢者を守っていくことは、今後どの地域にも求められるものだと思います。平戸では患者−医療者間の距離感が近く繋がっていて、自然と密な信頼関係が生まれていました。地域包括医療には疾患を発生させないための「予防」と再発や社会復帰を支援するための「連携」が必要となるが、平戸では地域全体でそれが進められていて、今後日本が直面する超高齢化社会では必ず必要となるであろう最先端の医療が行われており、今後全国的に拡がっていくべきものだと感じました。
普段の大学病院の研修では得ることのできないもの、経験することのできないものがたくさんあり、この1か月間平戸の医療の場に触れたこと、そこで学んだことは自分を大きく成長させてくれました。学生時代とは一回りも二回りもたくさんのことを吸収することができ、今回平戸に戻ってきてほんとによかったと感じております。今回得たものを糧にしてたくさん勉強して、いつの日か成長した姿を皆さんにお見せできるように頑張っていきたいと思います。1か月間本当にありがとうございました。