山谷 琴子 (独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
山谷 琴子 | |
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独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院 平成23年4月4日~平成23年4月28日 (平戸市民病院) |
このたびは4週間平戸市民病院で研修させていただきました。「車があったほうが、平戸生活楽しめるよ」という先輩からのアドバイスもあり、横浜から自動車で平戸のほうに参りました。カーナビを頼りに平戸大橋を渡り、どんどん山中に誘導され、どこに病院があるのか不安になったことを昨日のことのように覚えています。同時にこうした過疎化した地域での医療水準はどのように保たれているのか、非常に興味を持ちました。
平戸市民病院には、CT、MRI、内視鏡も揃っており、手術も可能な環境が整備されています。高次医療機関が近接していないこともあり、ある程度までは自己完結的な医療が求められており、それが可能となっております。したがって、専門性を超え、何でも診るといった先生たちの意識の高さ、その一方で高度医療が必要とする場合は迅速な判断能力(搬送の有無や初期対応)をもって取り組まれていることを感じました。また、医師・看護士不足、医療提供体制が希薄な地域だからこそ、以前より出前講座や健康診断などの予防医療に重点が置かれています。退院後には在宅療養支援を積極的に展開しており、私自身も研修中訪問介護、訪問リハビリ、訪問診療を経験させていただきました。今後、日本全国は超高齢化社会となり、限りある医療資源をどう活用していくのか平戸市民病院に学ぶことが多いと思います。
押淵院長は26年平戸の医療に関わっておられます。非常に驚いたのは、「平戸」という地域性、患者さんの家族背景、生活スタイル、また時には患者さんの人生を知り、医療を行っている点です。「病気ではなく、患者さんをみなさい」とよく指導されますが、まさに患者さんを診ること、地域に根ざした医療がここにあることを感じました。
研修生活以外では、おいしい平戸牛や新鮮なお刺身を食べさせていただきました。また、週末は、平戸観光や乗馬にチャレンジし、五島列島まで足を伸ばしました。とても充実した私生活を送ることができました。本当に平戸はいいところですね。
最後になりましたが、今回の研修でお世話になった平戸市民病院のスタッフの皆様、また暖かく受け入れてくれた患者さんの皆様に心から感謝しております。短い期間でしたが色々な側面から医療を考える機会であり、医師として成長していく上で貴重な一ヶ月となったと思います。本当にありがとうございました 。