初期研修医

山西 優香 (地方独立行政法人 佐世保市総合医療センター)
山西優香 山西 優香
地方独立行政法人 佐世保市総合医療センター
令和2年10月26日~令和11月27日
(平戸市民病院)

 10~11月の5週間、地域医療研修として平戸市民病院で研修させて頂きました。平戸に来るのは初めてで、かつ思った以上に奥まった場所に病院が位置しており、初めは本当にこんな奥に病院があるのかと思いながら来ました。
 研修が始まると時間が経つのがとても早く、あっという間に5週間が過ぎました。これまでは急性期病院で研修をしており、地域に密接した医療に触れる機会は学生以来のことでした。学生の頃とは違って実際に自分で診療をしてみると、診療の難しさや患者さんの生活に寄り添った医療というのを実感しました。病院には平戸の広い地域から患者さんが来ていましたが、ほとんどが高齢者の方で、慢性期のコントロールをしている方が多かったです。外来でも軽症患者さんが多かったのですが、医療資源に限界のあるへき地では、予防をすること・重症化をさせないことが大切なのだとよくわかりました。また、平戸は高齢化の波が強く、交通の便も悪いことでなかなか病院へいけないという人もおり、訪問診療が重要な役割を果たしていました。これからの高齢化する日本にとっては訪問診療が要になるのだと思います。ただ一方で、訪問診療の限界も感じました。医療スタッフの人数や訪問できる人数、訪問できる月の回数を考えると、決して多くの人数に対応できるわけでなく、さらに安定している患者さんに対してしか運用できないのではないか、と。まだ広く行われている医療体制ではないので、この先どういった運用をするのか考えなければならないのだと思います。
 他にも印象的だったのは、診療科の枠を超えて診療しているということです。平戸の先生方は診療科関係なく様々な疾患を診ており、知識が幅広くとても勉強になりました。私は来年から専門医をとるためのコースに入りますが、長崎で将来離島やへき地で働くこともあると思います。その際はどの疾患でも診ることができるようになっていたいと思い、これからさらに邁進していきたいです。平戸での研修を忘れず、今後過ごしていきたいと思います。ありがとうございました。