初期研修医

綿貫 慎太郎 (独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
綿貫慎太郎 綿貫 慎太郎
独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院
平成26年9月1日~平成26年9月26日
(平戸市民病院)

この度私は9月1日より9月26日までの間、平戸市民病院で地域医療研修を行わせていただきました。
もともと私は神奈川県育ち、大学は慶應義塾大学出身で、虫を触ることができないという致命的な欠点を抱え、あまり都心を出たことがありませんでした。以前アメリカに留学したことがあるのですが、その際にもアメリカの寮の虫の多さに心を折られ、アメリカ入国2日にしてホームシックになった私は、地域医療研修の病院選択の際、長崎の病院を選択するのを最初は正直ためらっていました。しかし、長崎に1か月在住するのは一生で間違いなく最後の経験になると思い、思い切って平戸市民病院を選択いたしました。
官舎に到着した日、何気なく頭上を見上げた際に大量のSpiderが巣を張っていた光景を今でも忘れません。
しかし、平戸市民病院研修は、そんなことを忘れさせてくれるほど充実したものでした。先生方は患者さんの家庭事情や仕事環境などに常に注意を払い、患者教育を熱心にされていました。私のイメージとしては医療は医師が患者に最善のものを提供するのは当然として、それ以上でもなければそれ以下でもない患者医師関係しかありませんでしたが、平戸市民病院では患者が積極的に医療に参加し、そもそも疾病にかかりにくくするといった医療を非常に重視していました。
急性期病院ならではの重症患者を診ることも大変勉強になりますが、疾病を扱うものとしてそもそも疾病にならないように努力する先生方のお姿は大変勉強になりました。
1か月間大変お世話になりました。ちなみに研修初めは毎日前後左右、いつ虫が襲ってきても対応できるようにびくびくしながら出勤していましたが、1か月たったころには前方のみをみながら歩行できるまで成長しました。
医療だけでなく自分の最大の弱点を少し直してくださった平戸には何もかも感謝です。本当にありがとうございました。