初期研修医

渡辺 華子 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 済生会長崎病院)
渡辺華子 渡辺 華子
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 済生会長崎病院
令和2年4月1日~令和2年4月28日
(平戸市民病院)

 私は、2020年4月1日~28日まで、平戸市民病院で研修させて頂きました。1ヶ月という短い時間でしたが、外来診療、病棟管理、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリ、健診、離島医療等幅広い研修をさせて頂きました。
 外来診療では、軽症~重症まで様々な疾患を診ることができました。先生方は整形外科疾患を含め、専門外の疾患を多く診ておられて、そのパワフルな診療に驚きました。時間外・当直帯になるとできる検査が限られており、身体診察と限られた検査のみで診療しなければなりませんでした。普段は24時間血液検査や画像検査を行っている病院で研修していたため、十分な検査を行えないことに不安もありましたが、その分身体診察が非常に重要だと再認識しました。
 訪問診療では、地域に密着した医療を経験することができました。患者さんによって「最期まで家で過ごしたい」「認知症で介護が大変でも最期まで夫婦で家で暮らしたい」など希望があり、できる限りその希望に沿った形の医療を提供していることに感銘を覚えました。高齢化社会が進んでいき、それに伴い孤立化する高齢者が増える中で、訪問医療は今後もっとその重要性が増していくと思いました。
 健診では、自ら問診・診察・腹部エコーまでさせて頂きました。今までは入院患者さんの治療をメインで研修しており、今回が初めての健診業務でした。今回携わることで、地域住民の健康管理や予防医学も、大切な医師の役割だと感じました。
 外来、病棟、健診、訪問医療を通して、患者さんの病気だけを診るのではなく、治療した後はどのようにして暮らすのか、今後悪化した際には誰がどのように支えていくのか、その生活・暮らしまで見据えた医療を提供する必要があると実感しました。
 今回の研修では、今まで見えていなかった医療を見ることができ、とてもかけがえのない1ヶ月になりました。熱くご指導して下さった平戸市民病院の先生方、コメディカルの方々、そして同時期に研修した同期に大変感謝致します。1ヶ月間、本当にありがとうございました。