初期研修医

上井 廉絵 (医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター)
上井廉絵 上井 廉絵
医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター
平成29年5月1日~平成29年5月26日
(平戸市民病院)

 1ヶ月の間、国民健康保険 平戸市民病院にて研修を行いました。長崎県に到着すると、そこには埼玉県にはない広大な海が広がっていました。ついに人生で初めて長崎に上陸したんだと心踊る一方で、慣れない土地での研修に対する不安もありました。しかし研修をしてみると1ヶ月はあっという間で、充実した日々を過ごすことができました。
 平戸市民病院では看護部や検査科、リハビリテーション科などの他職種の間の連携がとれており、私も1ヶ月の研修を通して様々な場面で関わることができました。今まではただ何となく見ていた光景も、実際に話を聞きながら見学をすると各部署でどんなことを注意しているのか、何を重視しながら診療にあたっているのかを感じることができました。限られた医療資源のなかでむやみやたらに検査や依頼をするのではなく、本当に必要なものを必要な患者へ届けるにはどうしたらいいのかを全員が考えているのが印象的でした。
 また在宅医療の実習もありました。今までに勉強会などで在宅医療に関するワークショップに参加したりしましたが、なんとなくのイメージしか持っていませんでした。訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問ケアマネなど、平戸市民病院では病院内に限らず、患者の自宅まで医療を提供するという体制がしっかり確立しており、一人の患者を長く診ていけることは大きなメリットであると感じました。埼玉県は人口当たりの医師数が最も少ないとは言われていますが、病院へのアクセスは比較的容易であり、東京まで足を運ぶことができれば専門医に診てもらうことも可能です。平戸に住む患者さんの中には、病院までの道のりが長く、場所によっては急な坂道があったり、山道のようであったりと健康な人が歩いても険しい場所に住んでいる人もいて、訪問での医療提供は不可欠であると感じました。土地によって医療ニーズは変化し、地域に根ざした医療を提供する難しさがあると思いました。
 また8月にも1ヶ月間平戸市民病院での研修があり、今回の研修で足りていなかったことを反省しながら埼玉での研修を行い、次回に活かせるようにしていきたいと思います。ありがとうございました。