初期研修医

卜部 繁彦 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 済生会長崎病院)
卜部繁彦 卜部 繁彦
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 済生会長崎病院
平成23年4月1日~平成23年4月28日
(平戸市民病院)

 4月1日から4月28日までの1か月間お世話になりました。済生会長崎病院研修医2年目の卜部繁彦と申します。また、新築のレジデントハウス入居者第一号として、とても快適な環境で研修生活を過ごさせていただきました。
 私は佐世保市出身で平戸市街地には観光で訪れたことはあったのですが、そこから車で20分以上離れたところに位置する平戸市民病院の周辺地域は自分の知っている平戸とはまた違うものでした。道は山の起伏が多く、田んぼが広がり夜は静かで真っ暗でした。今住んでいる長崎市は夜も救急車の音が絶えず何か落ち着かない感じがしていたので、ここでの生活はとても快適でした。
 平戸の研修では外来でも訪問診療でも感謝の気持ちを伝えてくださる住民の方がほとんどで、毎日とてもやりがいを感じながら研修することができました。魚に指を噛まれた、釣り針がささってとれないといった自分の病院ではあまり目にすることがない症例を経験でき、また心窩部痛の鑑別に寄生虫(アニサキス)を考えなければならないなど平戸ならではの医療を学ぶことができました。その他で特に印象的だったのが、院長先生の外来である患者さんの診察の場面でその人の親戚を含めた家族構成、何人暮らしなのか、最近のライフイベントを頭に浮かべながら診察を行って適切な医療を提供しているというのに驚きました。まず都会の病院では不可能に近いことです。平戸やその他の地域医療ではこのように地元に根ざした医療が求められており、想像していたよりも難しいものだということを実感しました。
 1日間の度島診療所研修を通じて、私は医者として一人前にはまだまだなのでこれから勉強が必要ですが、同じ長崎県民としていつの日か離島医療に貢献できればいいなと感じました。
1か月という短い間でしたが、親切にご指導、ご協力してくださった平戸市民病院のみなさん、本当にありがとうございました。