辻野 修平 (長崎大学病院)
辻野 修平 | |
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長崎大学病院 平成30年2月5日~平成30年3月2日 (平戸市民病院) |
平戸での1ヶ月の研修では様々な新しい人々とその生き方との出会いがありました。その中でも認知症の方それも末期の方々の姿が印象的でした。難聴で言葉もよく聞き取れず、目やにがひどく目も開けられない。夜になると徘徊し、道で転んで骨折する。食事や排泄もままならない。そしてそのご家族の方々自身も高齢で疲弊してしまっている。こういったプロブレムの前に医者としての私たちはあまりに無力で、正直できることなら関わりたくないと考える人も少なくないのではと感じました。ところがそういった方々は数十年後の自分の親の姿であり、さらにもう数十年後の自分たちの姿です。多くの人々は認知症になった家族を綺麗さっぱり切り離したいわけではなく、変わってしまった家族の受け止め方や関わり方がわからない、誰に相談すればいいのかわからないのだと思います。そしてそこに対して医療が提供できるものがあることを知りました。病院まで連れて行くのは大変だし体調の変化を自分では見きれないけど訪問診療や看護で見てもらえるから安心できるようになった。毎日世話をするだけの技術も体力もないけど、デイサービスやショートステイを利用することで少し余裕が作れるようになった。私がこれまで大学病院で経験してきた診断をつけて命を救う医療とは違った、人々の生活の負担を少し軽くする医療の形をこの1ヶ月で経験することができました。
先生方、病院職員の方々、平戸のみなさん、1ヶ月間大変お世話になりました。