初期研修医

田村 有里 (公益財団法人 日本生命済生会 日本生命病)
田村有里 田村 有里
公益財団法人 日本生命済生会 日本生命病院
令和元年5月7日~令和元年5月31日
(平戸市民病院)

 このたび平戸市民病院で1ヶ月間研修をさせていただくにあたり、初めて平戸を訪れました。一方で長崎県に来るのは2回目で、学生時代に上五島病院で2週間地域実習をさせていただいたことがありました。都会から離れた場所での医療や生活を体験し、毎日が刺激的で充実していました。その経験から、平戸での研修は以前から楽しみにしていました。
 元号が令和になり、いざ念願叶って平戸での研修生活が始まった時は、実は不安もかなりありました。普段の職場とまったく異なる病院に勤務して、自分がこれまで研修で学んできたことは通用するのか、当直や外来をちゃんとこなせるか、それと並行して訪問診療や健診など初めての仕事も覚えられるか―—。しかし、平戸市民病院の先生方にしっかりとご指導いただき、看護師の方をはじめとするスタッフの皆さんが非常に優しくサポートしてくださったので、不安はすぐに吹き飛びました。楽しく充実した、あっという間の1ヶ月で、気がつけば研修の最終日を迎えていました。
 平戸での研修を通して、「疾患ではなく患者を診る」という医療者として大切な視点を再認識できたように思います。普段勤務している病院では入院や外来での疾患治療を主に経験してきましたが、平戸ではそれに加えて患者各々の院外での日常生活にも目を向け、安定した暮らしが維持できるよう介護保険申請など環境の調整もおこなっていく現場を見学し、体験させていただきました。これは、都市部の中規模/大規模病院より地域に密着し在宅医療も実施している平戸市民病院ならではの経験だと感じました。
 同時期に研修に訪れていた研修医仲間にも恵まれ、仕事以外でも海や棚田などの美しい景色に心を洗われたり、魚介類もお米も何を食べてもおいしいことに感嘆したりと、非常に思い出深い1ヶ月を過ごさせていただきました。同じ病院の後輩たちにも、平戸での研修を勧めたいと思っています。本当にありがとうございました。