初期研修医

高森 啓成 (公益財団法人 日本生命済生会 日本生命病院)
高森啓成 高森 啓成
公益財団法人 日本生命済生会 日本生命病院
平成31年2月4日~平成31年2月28日
(平戸市民病院)

 2019年2月から1か月間、平戸市民病院で地域医療の研修をさせていただきました。朝、大阪を出発し、新幹線とバスを乗り継ぎ、病院に着くころには日が暮れており、約10時間の長旅でした。バスの中から外を眺めていると、暗闇の中からまるでRPGのオープニングのように平戸市民病院は突如、現れました。その印象はまさしく田舎の中にある地域医療のイメージにぴったりな病院という印象だったことを覚えています。それもあり、研修が始まる前は不安でいっぱいでしたが、一旦研修が始まると新患外来、救急当直、健診、訪問診療および看護など多岐にわたりあっという間に時間は過ぎていきました。その中で大阪の病院とは異なる点もありました。まずは患者様との距離が近いということ、カンファレンスでも患者様の疾患だけでなく家庭環境、仕事なども話し合われており、時にはこの患者様の家族なのかと思うほどたくさんのことを共有されていたことです。
 次に訪問診療、看護でした。これは大阪の病院では体験したことがなく、実際に患者様のお宅を訪問して問診、診察をおこないました。各患者様は平戸市の北から南までおり、車で40分かけていったこともありました。その道のりはながく、これはアトラクションなのか!!と思えるほどの坂道や狭い道があり、訪問診療がなければご高齢の方は病院に来るのはとても大変だろうなと思いました。それと同時にそれまでは患者様は入院や施設での生活が多くを占めるのだろうと思っていましたが、家族の協力があれば自宅でもこのような医療ができるのだなと実感しました。
 また平戸市民病院では救急外来では診療にあたった患者様の主治医になります。私は人生で初めての主治医を平戸で経験し、原疾患に対する投薬や輸液の調整、リハビリオーダー、他院への紹介状作成などもおこなうことができとても勉強になりました。
 研修以外でもたくさんのいい思い出ができました。研修の始めには夜、先生方が歓迎会を開いてくださり、お酒を飲みながら新鮮な海鮮・豚肉のしゃぶしゃぶ鍋をごちそうになりました。もともと食べるのが好きな私ですが、ヒラメと豚肉のうまさに驚きました。翌日にはコンソーシアム合同オリエンテーションで、先生方と共に平戸から生月を巡り、綺麗な景色を見ることができ、いわゆるphotogenic?な写真もたくさん撮ることができました。また今回の研修では平戸市民病院の研修医は私を含めて3名おり、土日を利用して、五島列島の福江や長崎、最後の週には軍艦島まで観光することができました。食べるのが好きな3人だったので五島牛ステーキを食べたあと、寿司屋をはしごしたのもいい思い出です。
 最後になりますが、この一か月間はとても貴重な体験をさせていただきました。ここで学んだことをこれからの医療に活かしていきたいと思います。親切に対応してくださった平戸市民病院のスタッフ、一緒に学びながら研修できた研修医、皆様に厚く御礼を申し上げます。