初期研修医

髙木 怜子 (独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター)
髙木怜子 髙木 怜子
独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター
令和元年6月10日~令和元年7月5日
(平戸市民病院)

 1ヶ月平戸市民病院で研修させていただき、地域医療について考える良い機会になりました。外来・健診・入院患者の主治医となるなど初めての事ばかりで緊張し心配していましたが、上の先生とのフィードバックや相談が気軽に出来る環境であり伸び伸びと研修を行うことができました。
 しかし、普段経験している救急外来の診療とは異なり、緊急性を第一に考えるのではなく、高齢者が多い中で生活環境など背景を含めて診療することの難しさを感じました。また、長崎医療センターでは急性期疾患が多いですが、慢性期疾患が多い平戸市民病院での診療は異なり、ただ病気を治すのではなく、患者が生活していく上でどの程度の介入が必要なのか判断し患者の診療に当たっていました。
 訪問診療では、主に身体診察でしか患者の症状を判断できない中で初めは戸惑うこともありましたが、回数を重ねる内に患者の生活状況や家族との関係を気にするようになりました。ADLが低下した人は訪問診療だけでなく、訪問看護・リハビリテーションを利用され、ケアマネージャーなど多職種の方々が異なる日時に訪れ、各々の役割を果たすことで患者の生活を支えていることを感じました。
 研修を1ヶ月終えても診療が以前よりできるようになったとは全く思っていません。しかし、残りの研修生活・医師生活を送っていく上で大変貴重な経験となったと思います。私事ながら妊娠していたため、大変周囲の人達に気を配っていただきました。おかげさまで自分の体調に合わせて研修できました。1ヶ月間ありがとうございました。