柴宮　明日香
	独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院 平成26年10月6日～平成26年10月31日 （平戸市民病院）

　初めて平戸に来たころ、田圃中に揺れていた稲穂は、いつの間にか消えていました。それくらい、この一か月はあっという間でした。
　“病気”を抱えた患者を診ることが多かった自分にとって、ここでの研修は驚くこと、新しい発見の連続でした。「健康老人の創設」、予防医療。言葉にするのは簡単ですが、そのためにされていたこと。健康な人の中に異常を見つけだす健診業務、啓蒙活動。そして、既知の疾患の他に不調がないか、広く気を配る外来。さらに、疾患や体調だけでなく、家族や仕事、生活の様子、家の位置、孫の仕事まで把握され、患者と談笑されている先生方やコメディカルの皆さんのことをみて、患者全体をみる、知るということの奥深さ、難しさ、そして今までの診療で自分がいかに患者の表面だけを見てきたかということを痛感させられました。
　また、以前より、在宅医療の実際がどういうものなのか、自分の目で見たいと思っておりました。見ると聞くとは大違いとはよく言ったもので…。今回、実際に見せていただいたこと、訪問看護師やケアマネージャーから聞いたこと、患者の声、すべて、一生忘れません。
　この経験を忘れず、さらに研鑽を重ねていきたいと思います。地域研修にあたり、指導していただいた先生方、お世話になった皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。