初期研修医

佐藤 真亮 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
佐藤真亮 佐藤 真亮
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
平成30年10月1日~平成30年10月26日
(平戸市民病院)

 2018年10月の1ヶ月間、平戸市民病院でお世話になりました。
 一番印象に残っているのは、「平戸には地域医療の最先端があります」という先生の言葉です。平戸の高齢化率は37%であり、日本の高齢化率を大きく上回っています。高齢化が進んでいる日本では、現在の平戸のような地域が増えてくると予測され、そのモデルケースとして平戸の医療は参考にされるべきであろうと思います。普段は急性期の患者さんばかりを診ることが多いのですが、病状が安定している患者さんが多い慢性期外来や訪問診療、離島診療等を通じて、近い将来東京や大阪など大都市でも必ず平戸のような医療システムが必要となってくると強く感じました。慢性期のことを意識しながら、急性期の診療を行うことを意識し、来月からも研修に励みたいと思います。
 また、平戸では距離的な制限もあり、訪問診療や訪問看護も1日数件しか行けず、採算の面だけを考えると必ずしも病院経営にプラスでは無いとの話も印象的でした。それでも必要とされる所へ必要な医療を届けるという患者第一の信念が感じられ、現在のような形になるまでには相当な苦労があったのだろうと推察します。
 平戸では“病院”という施設が住民の方々の心の支え、ひいては憩いの場となっていることを感じた1ヶ月間でした。日々の外来の待合では患者さん同士が世間話で盛り上がり、診察室では先生と患者さんの間で知己の会話が交わされていました。何か体調面で心配なことがあれば平戸市民病院へ行って相談すれば良い、とおっしゃる患者さんも多く、病院が地域の方々の生活に根付いていることがうかがい知れる場面が多く見られました。
 最後になりますが、1ヶ月の研修を支えてくださった上級医の先生方、病院スタッフの皆さま、同期の2人、そして患者さんとご家族に感謝を申し上げたいと思います。1ヶ月間本当にありがとうございました。