初期研修医

坂本 卓弥 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
坂本卓弥 坂本 卓弥
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
平成28年10月3日~平成28年10月28日
(平戸市民病院)

 平成28年10月2日、26年間生きてきて初めて九州の地を踏んだ。佐々からの灯りのない山道を越えると目の前には海と大きく美しい赤い橋が広がった。平戸大橋。この橋が1977年に開通してから39年の年月が経っている。いったいどのくらいの人間がこの橋を渡って平戸に入り、そして出て行ったのだろうか。
 1ヶ月間の平戸市民病院での研修で初めての経験を数多くさせていただいた。地域医療を体現するこの病院では他職種間での連携が極めて密に取られていて、その各職種の業務を経験することで地域医療の全貌が遠くに、しかしはっきりと見えた気がした。少子高齢化、過疎化など多くの問題を有する中で、疾病治療のみではなく、予防医療からリハビリテーション、福祉サービスまでを一貫する病院の役割として捉えている。
 その中で特に印象的だったのは出前講座と市役所健診だった。都市部で研修を行う私たちは一次予防、二次予防の業務を経験することは極めて稀であり大変貴重であった。また体調不良のない非医療従事者に説明し啓蒙することの難しさを感じた。
 これからも医療に携わっていく中で今回の研修で見たこと、学んだことを忘れずに常に全体像の見ながら、広いビジョンを持った医師に成長していく。
 また平戸の方は皆温かく、市民病院の職員は忙しい中でとても親身に様々なことを教えてくれた。自然豊かで五島に沈む夕日、道路に寝ながらみた満天の星空は感動だった。毎日のようにご馳走になった平戸の幸も大変美味しかった。
 改めて、今回の研修で関わりお世話になった方々に心より御礼申し上げます。