近江 賢人 (東京大学医学部附属病院)
近江 賢人 | |
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東京大学医学部附属病院 平成28年4月4日~平成28年4月28日 (平戸市民病院) |
4月の暖かな日差しの中、平戸市民病院での地域医療研修が始まりました。私にとって九州地方は未踏の地であり、九州で働いていた姉の勧めにより平戸市民病院で地域医療を行うことを決めました。期待と不安が混じる中での研修でしたが、地元の人々も親切であり、実のある研修になったと思います。
平戸市民病院は平戸島の中心に位置し、平戸市の「地域包括医療」を担う核となる病院です。診療を行う病院機能と高齢者の生活を支える地域医療連携、地域の足を担う訪問診療・看護・リハビリを行っています。研修の間、看護師さんや理学療法士、ケアマネージャーさんに付き添い、実際に訪問による医療連携がどのように行われるかを体験させていただきました。また外来では、在宅でご主人を介護されている患者さんが入院することとなり、ケアマネージャーさんが介入し、要介護のご主人さんを当日のうちにショートステイに入所するよう手配した症例にも遭遇しました。退院後も外来やケアマネージャー訪問などで生活面を含めた全人的なフォローがなされていたことにも驚きました。また院内の職員間で情報が密に共有されており、連携がスムーズであったことにも感心しました。
自分の臨床知識も今回の研修でブラッシュアップしたと感じます。大学病院では難病や珍しい疾患を扱います。そのため、安全性や確実性が求められるため、研修医が一人で検査や処置を行うことが殆どありません。一方ここでの研修では、一般臨床で遭遇するであろうcommon diseaseを自分一人で診察し、必要な検査を選び、鑑別を挙げ、診療していくことができ、主体性を持つことができました。平戸市民病院の先生も私たち研修医の意見を尊重し、議論して頂けたことも自信につながりました。臨床に対する意識も受動的なものから積極的なものへ変化したと感じました。
また、遠い土地で働く研修医の先生とも交流でき、研修内容についてや今までに出会った困った症例、珍しい症例などを情報共有できたことも自分の中ではプラスになりました。オフには先生にご案内いただいて平戸の市街地観光や温泉、地元の美味しい料理を満喫しました。
健康診断や乳幼児健診、小学校検診など早期発見スクリーニングを経て、総合診療への興味も沸き、臨床知識・手技をさらに研鑽しようと思いました。
この研修は私の中では非常に有意義な結果をもたらしたと思っております。
先生方をはじめ医療スタッフの皆さん、長崎大学病院へき地病院再生支援・教育機構の方々、地域の皆さん大変お世話になりました。ありがとうございました。