初期研修医

岡 英一郎 (独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
岡英一郎 岡 英一郎
独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院
平成24年11月5日~平成24年11月30日
(平戸市民病院)

 この度、地域医療研修としまして、初めて平戸を訪れました。肌寒く感じるようになった11月でしたが、平戸市民病院の皆様・そして地域の皆様と過ごした4週間は温かさを感じるとても充実したものでした。
 平戸市は高齢化が早く進んでいたために、介護保険制度が導入される以前より病院として介護福祉の取り組みを開始し、また健診の受診率を上げ、健康な高齢者を創出するように努めておりました。地域に密着して住民が安心して生活できる医療の在り方として、「出前講座」は、医療者側から地域に出向き、生活習慣病などについて講話をして理解を深めていただくもので、初めての経験であり新鮮でした。夜間の寒い中、悪天候の中でも参加される住民の関心の高さに驚くと共に、患者さんに求められ信頼される医療者の姿を勉強させていただきました。
 また、車で山を越えて行く訪問診療や、離島・度島で唯一の診療所を訪れて地域医療を体感しました。限られた医療設備での医療では、自分の五感を使った身体診察の重要性を認識するとともに、自分のもち合わせる全ての知識、経験を駆使して最善の医療を提供するという、医療の原風景を見ました。さらに、自宅へ訪問することで実際の療養環境を見ること、ご家族とも接することで、病気のみならず病人を診るという基本的な姿を改めて体感できました。
これらは医療機関へのアクセスが制限されうる地域特有の医療であり、大変勉強になりました。逆に朝早く起きてバスを乗り継いで来院される患者さんの気持ちも理解でき、思いやりをもって、人と人との心の通った医療を目の当たりにできた研修となりました。今後、私も人間味ある医師目指して精進していきたいです。
最後になりましたが、改めまして、4週間お世話になりました病院スタッフの皆様、地域の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。