大和田 望 (独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
大和田 望 | |
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独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院 平成23年7月4日~平成23年7月29日 (平戸市民病院) |
医療の地域格差、へき地医療の崩壊、医師の偏在など地域医療をとりまく様々な問題が提言されている。実際に現地でへき地医療を体感するまでは、想像もつかなかったが、地域医療は超高齢化社会の日本にとって最先端の医療システムであると気付かされた。4週間の現地の実習にて私が感じた以下の観点から述べさせていただく。
「地域医療しか受けられない患者は不幸/不公平か?」について
都会では専門科があふれており、すぐに専門科を受診し、自分に合う医師を探す(ドクターショッピング)ことも可能である。専門科の治療を簡単に受けられない地域の患者は不幸/不公平だろうか?
結論はNOであると考える。
「病院がそこしか無いため、いつも同じ病院にかかる=かかりつけ医がある。」
「必要があれば専門科コンサルトという理想の形。必要が無ければ、専門外ですと断られ他の科に再受診することなく、その場で解決してもらえる。」
「家族背景や住環境など個人の状況まで考慮、地域医療連携の介入も素早く訪問などの対応もある。特に高齢者には優しい医療」
これらは地域に密着した病院であるからこそと考える。医師の数が少ないからこそ、1人1人が専門以外も勉強し情報共有し、来院したすべての患者を診ている。専門外だから診ませんと断っても、専門の病院はかなり遠いため可哀相だなどの、先生方の情熱に支えられていると感じる。必要があれば遠くの病院になってしまうが、行ってもらうというのが、理想的なコンサルトの形ではないだろうか。また日本では高齢化が急速に進んでいる。都市部ではかかりつけ医を持たない人が多く・専門科診察のためいくつもの病院にかかっており総合的に1人の患者を住環境や介護まで積極的に介入する医師は少なく患者は孤立しているように思う。
超高齢化社会が急速に進んでいる現代の日本の医療の、解決の糸口が平戸市民病院にはあるのではないだろうか。