大野 恵理子 (横浜市立大学附属病院)
大野 恵理子 | |
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横浜市立大学附属病院 平成29年5月1日~平成29年5月31日 (平戸市民病院) |
私が平戸市民病院を選んだのは、「地元に近いし」「出身大学も長崎だし」「島とか楽しそう」という理由でした。初めて平戸市民病院に行ったとき浮かんだ言葉は「と、遠い…。道間違えてない?」でした。研修が始まる前、どんな研修になるのか不安もありました。しかし研修が始まった瞬間から、不安は吹き飛んでしまいました。
外来での診療、毎日の健診で腹部エコー、放射線実習でレントゲン撮影、検査部でのグラム染色をはじめとした様々な検査、訪問診療や学校検診、度島での離島研修など、普段の大学病院での研修とは違う、地域研修でなければ経験できないような診療や手技を経験することが出来ました。特に外来診療はこれまで救急外来以外ほとんど経験したことがなく、普段の定期受診のときにどのようなことを気にして診療するのか、どのような声掛けをすれば行動変容に結びつくのか、など今まであまり考えていなかったことを考えるようになりました。隣にいる先生にアドバイスを頂きながら何とか診療することが出来ましたが、実際に一人で診療するときを想像すると、一層の勉強が必要だということも考えさせられました。先生方には外来診療の時だけでなく、地域医療について、時には症例クイズなど、本当にたくさんのことを教えていただきました。イギリスから来訪された家庭医のシャリーン先生とは3日という短い間でしたが、イギリスでの医療についてお話を聞けたこともいい思い出になっています。
訪問診療では実際に患者さんの家に行き、どんな家に住んでいるのか、家族との関係性、在宅での治療の実際などを見ることができました。また訪問診療で訪れた患者さんと外来で再会し、家での生活も思い浮かべながら治療プランを考えるなど、地域医療ならではという診療を経験することも出来たと思います。
一番記憶に残っているのは初日に診察した患者さんがドクターヘリで搬送されることになったことです。年に数回程度しかないという貴重な経験をさせていただきました。
また同時期に一緒に研修をした同期にも恵まれたと思います。外来などで出会った症例に対して普段どうしているか、こんな珍しい症例の時にはどんな治療をするか、など相談して教えてもらうことも多く、とても感謝しています。仕事だけでなく、休日や仕事終わりに同時期に柿添病院、青洲会病院で研修していた研修医の2人も交えて一緒に遊んだり、職員さんたちとのソフトボール大会を応援しに行くなど、とても充実した地域研修生活を送ることが出来ました。
たった1ヶ月でしたが、様々な経験をすることができ、とても充実した研修になったと思います。先生方だけでなく、技師の方々、看護師さん、秘書さん、売店の店員さんなど沢山の方々に沢山のことを教わり、見守っていただき楽しく研修することができました。平戸市民病院で学んだことをこれからの研修生活、医師としての仕事に活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。