初期研修医

小倉 颯英 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
小倉颯英 小倉 颯英
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
令和2年10月5日~令和2年10月30日
(平戸市民病院)

  2020年10月の一か月間、平戸市民病院で研修をさせていただきました。横浜からともに移動してきた同期と平戸大橋で別れ、一人バスを乗り継いだ時は不安でいっぱいでした。どんどんと深い山の中に入って行き「違う方向に向かっているのではないか」「この先に本当に病院があるのだろうか」と感じながらも、病院が見え無事レジデントハウスについた時にほっと一息つけたことを思い出します。
 外来や毎朝の健診では、すぐに精査が必要なものから医学的には説明のつけづらいものまで様々な主訴の方が多く、戸惑ったのを覚えています。その際、先生方が症状単体で答えを見つけるのではなく、何をしてほしいのか、何が不安なのかを問診の中で見つけ出す「患者を診る」ということを重視されていたのが印象的でした。
 また、私が研修している急性期病院では出会わない医療介護院の対応も経験し、急性期とは求められる医療が異なっていることを痛感しました。地域住民の方と距離が近く、患者さんの疾患だけでなく家族背景や住んでいる場所、家の中の状況まで理解しているからこそ各々が求めている医療を深く掘り下げ、一番良い解決法を一緒に考えていく先生方の診療に感銘を受けました。
 平戸の言葉は少し独特で、特にご年配の方々の言葉は一回で理解するのも難しく先生方や看護師さんに解説していただいたのも良い思い出です。
 研修期間は天気にも恵まれ、週末は平戸市街や生月島、佐世保など先生方に教えていただいた観光名所も十分に楽しむことができました。また、新米や魚など旬の食べ物もたくさん味わうことができ、医療について学ぶ以外にも充実した一か月となりました。
 最後になりましたが、新規ウイルスの世界的な流行という不安定な状況の中、私たち研修医を受け入れてくださった平戸市民病院の先生、コメディカルスタッフ、事務の方々に心から感謝申し上げます。ここでの経験をもとに、来年からもさらに医師として精進致します。ありがとうございました。