初期研修医

小田 奈央 (医療法人社団 神鋼会神鋼病院)
小田奈央 小田 奈央
医療法人社団 神鋼会神鋼病院
平成24年7月30日~平成24年8月24日
(平戸市民病院)

 8月の一番暑い季節の最中、地域医療研修のため神戸から平戸にやってきました。
 初めて九州へ足を踏み入れた私にとって、平戸での研修は毎日が驚きと発見の連続でした。訪問診療や、地域の集会所に出向いての出前講座など、地域の中核を担う平戸市民病院でしか体験できないことをたくさん経験させて頂き、地域医療に対するイメージを大きく覆されました。
 また幸運なことに、4週間の研修中に“第7回「地域医療とケア」を考え・体験する夏の合宿”に3日間にわたって参加させて頂きました。地域医療を何十年に渡ってされている医師の大先輩の方々のお話は、地域医療について深く考えたことのなかった私の将来の医師像のビジョンに強く訴えかけるものでした。最終日には、地域医療を志し大学に入学したばかりの医学生の方や、地域医療に携わる医師やコメディカルスタッフ、行政の方と地域医療について語り合うようになっていた自分の姿に正直驚きました。
 地域医療を取り巻く環境はまだまだ厳しいものです。医療者の人手不足、地域の高齢化、介護施設の不足など、単一的な解決策では難しい問題があることを肌で感じました。
 まだ医師として1年半ですが、早い段階でこうした地域医療に関わることができたことを今後の医師人生の歩みに必ず生かして、何らかの形で恩返ししたいと思います。
 最後になりましたが、1か月という短い期間にも関わらず、熱心にご指導頂いた先生方、慣れない診療にも嫌な顔一つせずお付き合い頂いたコメディカルスタッフの方々、円滑な実習のために尽力頂いた事務の方々、そして平戸島に暖かく迎え入れて下さった患者様に、心より御礼申し上げます。