武藤　須美玲
	横浜市立市民病院 平成27年11月2日～平成27年11月27日 （平戸市民病院）

　私は福岡県出身であり、家族で平戸に来たこともあったため、地域医療研修先に平戸があることを知って、選択しました。
　研修期間中、訪問医療、検査科・放射線科実習、健診など、これまでにしたことのない内容を体験させていただきました。とくに私がお世話になった月は事業所健診が多く、自覚の少ない方に対して生活指導等をどのように伝えれば良いのか試行錯誤の日々でした。
　平戸市民病院は、100床ほどの病院ではありますが、検査機器も充実しており、日中の診療で不便を感じることはありませんでした。しかし夜間当直では検査はオンコール体制であり、普段の救急当直での気軽さとは違い、「今すぐ必要な検査か？」を考える良い機会となりました。
　平戸に来て驚いたことは、ご高齢の方がとてもお元気で、90代でも現役という方も多かったことでした。その一方で、自分では病院に来られないため訪問診療を受けている方も多くいました。訪問診療では自宅に伺うため、実際に患者さんがどのような生活をしているかを知ることができます。薬は飲めているのか、家はどのような作りなのか、日中の生活習慣など、診察室での診療ではわからなかった問題に気づくことができました。
　平戸市民病院での研修を通して、「症状がない≠健康」であることや、病院で待っているだけでは見落とされてしまう患者さんがいることを実感しました。今回、地域医療研修ということで平戸にて勉強させていただきましたが、これは地方だけでなく、都市部でも共通の問題であると思います。まずできることとして、患者さんのことを疾患だけでなく生活背景まで考えてサポートできるように診療に取り組みたいと思いました。横浜では気づけなかった多くのことを気付かされた研修でした。１ヶ月でしたが、ありがとうございました。