初期研修医

三潴 正秀 (長崎大学病院)
三潴正秀 三潴 正秀
長崎大学病院
平成26年9月29日~平成26年10月24日
(平戸市民病院)

 私は学生時代より長崎県に住み始めて今年で7年目ですが、今回の地域医療研修で初めて平戸市を訪れました。到着したのが夜中だったということもあり、暗い山道を抜け田んぼに囲まれた病院に到着した時には、ここで4週間過ごしていけるだろうかと一縷の不安もよぎりましたが、終わってみるとこの4週間は毎日が充実して、あっという間に過ぎ去っていったと感じています。
 研修の内容は新患外来、病棟回診、カンファレンス、健診、といったものから、訪問診療・看護・リハビリ、乳児健診、地域住民への出前講座といった院外でのものまで非常に多岐にわたったものでした。大学病院での研修では、患者さんとの関係が病院内、ともすれば病棟での入院期間のみで完結しがちになっていましたが、そこから一歩踏み込み院外でも患者さんと関わっていく、ということが私にとって新鮮な経験となりました。通院が困難な方に対して医療を提供する、という意味合いもそうですが、その人の生活背景を踏まえて医療を考えるということは、平戸市だからこそというものではなく、日本中どこで行われる医療であれ、根幹となる大事な肝だと感じました。
 また研修最終週には、2日間に渡る市役所健診で数十人もの方の診察、腹部エコー検査をさせていただき、経験の浅い研修医としては、大きくスキルアップする貴重な機会ともなりました。
 まだまだ医師として未熟な私ですが、病院周辺に黄金色に実っていた稲穂のように、立派に成長するための大きな一歩になる4週間であったと感じています。ご指導いただいた先生方、また患者さん含め関わらせていただいた全ての方々に深く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。