初期研修医

松永 昂之 (北里大学病院)
松永昂之 松永 昂之
北里大学病院
平成29年12月4日~平成29年12月28日
(平戸市民病院)

 平戸「市民病院」という名前から、市の中心部にある大きな病院を想像していました。地図上では平戸島の中心ですが、飛行機、バスを乗り継ぎ、いざ病院に着いてみると周りは真っ暗でした。どんな1ヶ月になるのか、不安になったことをよく覚えています。
 そこから1ヶ月、平戸の中核を担っている病院であることを実感しました。毎朝の健診では、健康な方の聴診や超音波検査など、普段なかなか行う機会のない手技も勉強になりました。放射線撮影は、今まで自分で施行したことはありませんでしたが、技師さんに協力していただき、撮影することもできました。訪問診療・看護では、バス停に出るまでも大変な山奥に向かうことがありました。玄関の段差を降りることができるのだろうか、と言った高齢者の二人暮らしの家に行くこともありました。もし、急なエピソードが起こった時、すぐに対応できるのだろうか、と言った不安も生まれました。その時の様子だけではなく、「前回と比較してどうだろうか」「本人は変わらないと言っているが、周りから見て違いはないだろうか」といった観察も大切なのだと実感しました。そのため、患者さんの入退院の際には患者さんの背景を感じていかなければならないと感じました。外来では、上級医の先生の外来を見学させていただくこともあり、患者さんから医師への信頼度の高さを感じました。そして「先生に会えて元気が出ました。ありがとう。」そんな言葉を言って帰っていく患者さんの姿が印象的でした。主に研修させていただいた内科では各医師に専門はあるものの、患者さんは内科の先生に診てもらうために来院されます。そのため、専門外の知識を治療・説明できるために勉強が必要であると感じました。また、外科では大学病院で考えられないような、内科以外の患者さんを幅広く診察しているような印象がありました。
 日々病棟や手術室等で過ごしていた、今までの研修医生活とは全く違う1ヶ月を過ごすことができました。治療だけでなく、リハビリや在宅関連のことなど、幅広い地域医療について考えることができ、また他病院からの研修医との交流もとても刺激になりました。
 研修以外にも美味しい料理や土日の九州旅行、山登り等とても充実した楽しい1ヶ月でした。市民病院の先生方、コメディカルの方々、同期の研修医など、多くの方のおかげで無事地域研修を終えることができました。1ヶ月間ありがとうございました。