熊谷　有香
	独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院 平成27年11月30日～平成27年12月25日 （平戸市民病院）

　一ヶ月間、お世話になりました。とても充実した、密度の濃い研修内容で学ぶことが多かったと思います。
　最も印象的だったことは、医療者の数とモダリティの少ない現場での当直です。都市部と地域でも起きうる疾患に差はないけれど、診る側によって治療内容、方針が大きく変化するということが起きてしまう状況であると実感しました。すぐに専門医に搬送、診察してもらえる環境がある都市部とはかなりの時間差が生じてしまうことから、迅速な判断の必要性は都市部よりもはるかに大きいのではないかと感じました。
　平戸市民病院をはじめとした地域の病院では、大きく「内科」「外科」というくくりがあるのみで、自身の専門分野以外の領域でも同じ「内科」であればある程度診なければなりません。専門分野の日々の進歩についていくだけでも大変ですが、さらに総合内科医としてもスキルも必要とされる環境の困難さ、多忙さを垣間みて医師という職業一つでも環境によってかなりの違いをみることができました。来年から私は耳鼻咽喉科の医師として働くことになりますが、どんな分野においてもgeneralなものに目を向ける習慣は忘れてはいけないと実感いたしました。
　私事ですが、一ヶ月間で様々な観光地に出向くことができました。なかなか行く機会のない観光地も行くことができ、美味しい長崎名物の食事にも恵まれ、非常に充実した日々でした。共に研修した2人とも時には真面目に、時には楽しく地域のこと、医療のことについて話し合うこともでき、より研修が深いものとなりました。短い間でしたが、平戸市民病院の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。