初期研修医

小佐井 真梨 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
小佐井真梨 小佐井 真梨
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
令和元年8月5日~令和元年8月30日
(平戸市民病院)

 8月の1か月間、平戸市民病院で研修させていただきました。強い日差しの中、狭い山道を通り病院に到着した時、これから1か月、どのようなことを学べるのだろう、と胸の高鳴りを感じたことを昨日のように思い出します。
 普段研修している病院では、細分化された診療科で急性期疾患を学ぶ機会が多く、慢性期疾患や予防医学を中心とする、地域に根差した病院での研修は新たな視点から物事を考えるきっかけとなりました。
 外来診療においては、患者さんが診察室に入ってきて一言。「先生に会えて嬉しか~!膝は痛かやけど元気にやっとるばい。」とニコニコ笑顔で診察室にやってくる患者さんを見たことが一番印象に残っています。患者さんが抱える「病気」だけをみるのではなく、生活背景を含めて理解し、一人ひとりにじっくりと向き合い信頼関係を構築している現場を見たときに非常に感銘を受けました。
 訪問診療、訪問看護、訪問リハでは狭い道を通り、患者さんの自宅を訪問しました。自宅でできる医療行為は非常に限られているため初めは何をしたらよいのか戸惑いました。しかし外来とは異なり、患者さんやその家族とリラックスした雰囲気の中、会話を通して身体の状況を把握し、生活環境を目で見て感じることで日常生活により密着した視点から患者さんにとっての最適な医療の提供が可能になると実感しました。
 高齢化が進んでいる日本において、平戸で行われている医療が近い未来の日本の医療の姿を映し出している、という言葉通り、大都市でも近い将来に平戸で実践されている医療システムが必要となると感じています。また来月からは慢性期医療・予防医学のことを意識しながら急性期疾患の診療を研修に臨みたいと思います。
 1か月という短い期間ではありましたが関わったすべての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。