古泉　龍一
	横浜市立市民病院  平成29年2月6日～平成29年3月3日 （平戸市民病院）

　地域医療研修では主に健康診断、訪問診療、継続外来を経験させていただきました。健康診断では、心血管リスクに対する生活指導を行い健康意識の自覚を持たせ、腹部エコーで腫瘍のスクリーニングを行い早期発見に努めました。訪問診療では、多職種と協力し、褥瘡、介護疲れ、関節拘縮といった患者目線から治療方針を立てました。継続外来では慢性疾患の治療について学び、病態が不可逆的に進行する前段階の適切なタイミングで治療介入を行いました。
　今回の研修を通して得た収穫は、診察理論と情報収集力でした。褥瘡の発見、生活習慣病の診断は、理論を学び繰り返し実践することが必要だと実感しました。情報収集力では、忙しい外来診療の中で治療介入を要する病態を見抜く洞察力が身につきました。
　研修前後で地域医療研修に対する印象が変わりました。初期研修で学んだ急性期診療を応用できると考えていましたが、実際のアプローチは180度異なるものでした。治療方針を独居、転倒、薬の飲み忘れ等の患者の生活に直接かかわる問題点に即して立案し、「病気を見るのではなく患者を診る」経験ができました。
　予防、病後をイメージして急性期診療に活かしたいと考えます。温かく見守ってくださった平戸市民病院の皆様、ありがとうございました。