北村　友理
	独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院 平成28年8月1日～平成28年8月26日 （平戸市民病院）

　平戸市民病院で8月の1か月間研修させていただきました。
　わたしは今まで神奈川、東京で育ち、平戸のようなへき地で生活したことはなく、まして、そのような地域で医療を提供するようなことなど、初めは恐怖でしかありませんでした。しかし、実際にこちらで生活させていただくと、中桶先生をはじめ諸先生方にとても親身にご指導いただき、看護師さん、コメディカルの方々のお力添え、患者さんのご協力もあり、とても有意義な時間を過ごすことができました。
　1か月間で特に印象に残ったのは、先生方の病気を診るのではなく人を診る診療でした。急性期病院で研修しているとどうしても病気に対して治療を行うだけに留まることが多いです。しかし、ここでは先生方が患者さんのキャラクター、住宅環境、職業、同居人、保険など社会背景まで密に把握しており、看護師、PT、ケアマネージャーなど多職種と連携し、今後の治療や介護の提供を決めているのがとても印象的でした。今後、十数年間は急性期病院での専門的な診療が主になるとは思いますが、その中でも患者さんの生活に触れ、利用できる医療資源を提供できるように心がけたいと思います。
　わずか一か月間でしたが、自分の医師としての経験だけでなく、私の人生にとって大変貴重な経験となりました。ここでの学びを今後に生かしていきたいと思います。私たちの研修に協力してくださった、平戸市民病院の関係者のみなさま、地域の方々に深く御礼申し上げます。