初期研修医

金子 翔平 (長崎大学病院)
金子翔平 金子 翔平
長崎大学病院
平成26年10月27日~平成26年11月28日
(平戸市民病院)

 私は長崎県長崎市で生まれ、時津町で育ち、大学時代を佐賀県で過ごして、2014年の春から長崎大学病院で働いています。今回の地域研修に至るまでに平戸を訪ねた経験は無く、初めての土地で研修生活を送ることに、楽しみと少し不安な気持ちを抱えていた10月下旬を懐かしく思います。
 平戸市民病院では、外来診療や病棟業務に加え、訪問診療等の病院外活動、健診や出前講座等の予防活動、検査科や放射線科実習、離島研修等、数多くの貴重な経験をさせていただきました。市民病院の医療の対象は患者さんとその家族に限らず、地域に住む住民全体にまで及んでおり、まさに地域を包括した医療でした。しかし、現在で当たり前となっているシステムは病院設立当初には存在せず、“元気老人の創出”をテーマに掲げた市民病院の歴史の中で、徐々に構築されたものと知りました。押淵院長が仰っていた「昔からやってきたことを続けるのではなく、その地域と時代の変化に合わせて、新しいことに挑戦するようチャレンジして欲しい」という言葉が私の心に響きました。住民視点の意見を取り入れ、常に地域を支える医療の改良策を練り実践するには、想像を超えた大きなエネルギーが必要だったに違いないと考えます。
 私は現在、進路に関して複数の選択肢を持ち悩んでおりますが、近い将来で働く先はおそらく都市部の病院になるかと思います。今後、都市部で高齢化が急速に進むことは避けられません。地域研修を終えた今、平戸市民病院で経験した医療を将来の都市部医療に活かすことを目標にしたいと意気込んでいます。
 5週間という短い間でしたが、多くの方々に支えられ、自分自身としても日々の成長を感じながら楽しく研修を送ることができました。平戸で出会った“ご縁”を忘れず、次へ向かう糧にします。
 最後になりましたが、お世話になった皆様に心より御礼申し上げます。