初期研修医

城野 誉士 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
城野誉士 城野 誉士
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
令和2年1月6日~令和2年1月31日
(平戸市民病院)

 2020年1月に1ヶ月間平戸市民病院でお世話になりました。初日の道中、1人、また1人と途中で降りて行く中、私だけを乗せたバスが平戸へと向かっていました。平戸市民病院は約100床程度の普段働いている病院よりも病床数は少ない病院でしたが、内視鏡、透視、手術までできる設備を有しており、地域の方々の健康を守る病院として設備が整っている病院というのが私の第一印象でした。
 平戸市民病院での研修は3回の当直を含む外来を中心としたもので、入院診療を中心としている普段の研修とは全く質の異なるものでした。特に新患を診察する急性期病院としての役割に加えてかかりつけとしての慢性期、そして家庭医としての役割を担っており、地域住民の方々の健康を守ること、すなわち公衆衛生、保健活動も医師の重要な役割であることを再認識しました。外来診療では指導医の先生方と患者さん、その家族の腹を割って話すことのできる関係性を垣間見る事ができ、地域に密着した形での医療を目の当たりにする事ができました。その中でも最たるものは訪問診療でした。訪問診療では1人1人のお宅に訪問する事で外来診療では到底見る事ができない自宅での様子や生活環境を肌で感じる事ができ、在宅で求められる医療の姿について考える機会をいただきました。
 今後日本全国が超高齢社会を迎える中で平戸市民病院が直面する問題は全国的な問題になることは必至だと思います。今回1ヶ月の研修を通じて超高齢社会における医療のあり方、そして在宅診療の方向性をより具体的に決めるべき岐路に立たされていると改めて感じました。
 1ヶ月の平戸研修は教育的な指導医の先生方、コメディカルのスタッフの方々のおかげで大変学びの多い有意義なものとなりました。本当にありがとうございました。そして、1ヶ月生憎の雨続きの天気ではありましたが、長崎県内、平戸市内観光、またヒラメや平戸牛、イカ刺しをはじめとした食事に舌鼓を打つ事ができ、大変充実した1ヶ月となりました。