初期研修医

池田 ゆうこ (社会医療法人 神鋼記念会 神鋼記念病院)
池田ゆうこ 池田 ゆうこ
社会医療法人 神鋼記念会 神鋼記念病院
平成30年1月9日~平成30年2月2日
(平戸市民病院)

 普段住んでいる神戸を離れて、地域医療研修で長崎県平戸市の平戸市民病院で1カ月間お世話になりました。
 押淵院長先生はもう30年もこの地で勤められていて、「元気な高齢者づくり」を掲げて自らも地域住民の中に入っていって様々な活動をしてこられていました。いまその成果は医療費や介護保険受給者数など数字になって現れているとのことでした。都心部でひとりやふたりの医師が声をあげても、その地域全体に響かせることはなかなか至難の技ですが、こうした地域でひとりの医師の持つ影響力を感じました。へき地での地域医療のやりがいのひとつでしょうか。
 また、海や山の綺麗な夏ではなく、冬の平戸で、雪の降る寒い日もありましたが、平戸のひらめやあら(クエ)、九州の温泉など、冬ならではの休日も楽しみました。常勤医の先生も、訪問診療のドライブ中に「この辺は本当に綺麗なんだよ」とおっしゃっていて、病院の仕事だけでなく、この地域に魅力を感じて勤務されているのだと思いました。
 生まれ育った土地やその近くだからそこで地域医療をする医師もいれば、その地域の良さに惹かれてやってくる医師もいると思います。病院にいる時間が全てではないので、地域医療には、その土地を楽しむことがコツかなと思いました。
 初期研修終了後は、都市部の病院での専門課程への研修に進みますが、これからの医者人生がどうなっていくのかはわかりません。何かのタイミングで、この平戸での経験を思い出す日が来るかもしれません。
 普段の研修とは異なる貴重な経験させていただきありがとうございました。温かく受け入れていただいた平戸市民病院の職員の皆様に改めて感謝いたします。