井手 晴菜 (独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院)
井手 晴菜 | |
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独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院 令和2年3月2日~令和2年3月19日 (平戸市民病院) |
平戸市民病院で1ヶ月間研修させていただきました。父のかつての実家が長崎県松浦市だったゆえ、以前はよく長崎県を訪れていましたが、今回、10年以上ぶりの長崎県で、かすかな海風の匂いに懐かしい気持ちになりました。
ここでは、医師も、コメディカルのスタッフも、患者さんの性格や事情も含めて、よく親身になって診療にあたっておられます。外来のある1階を歩くとき、目のあった患者さんに軽く会釈をしながら歩きますが、近くにいらっしゃる他の患者さんにも一緒にこにこと会釈を返していただいております。スタッフ同士も心地よい挨拶をかかせません。そこに、患者さんと病院スタッフ、スタッフ同士の、信頼関係と優しい気持ちが反映されているように思いました。
訪問診療、訪問看護、訪問リハを通して、平戸の生活と、なかなか一筋縄にはいかない医療事情を垣間見ました。訪問するということは、できる検査は限られますが、平戸市民病院の先生方がおっしゃっていた通り、確かに、診察室で数分見るのとは段違いに、患者さんの暮らしと家族とその環境に関しては多くの情報が得られるわけです。そこでは、これが医学的に正しいのだからこうしなさいと無理な正義を振りかざすのではなく、患者さん本人の様子や暮らす環境からも変化をとらえつつ、患者さんの希望と協力できる家族にも合わせて、より良い医療を模索していき、その中で、ある程度急変の可能性があるようなことはピックアップして、治療可能なこと・防ぎ得ることは積極的に介入していくのが大切であり、かかりつけから続く訪問での医療の意義なのだろうというのが、私なりの考えです。
病院食も、関西出身の私からすれば、九州らしい出汁がきいたものが多く、毎日の楽しみにおいしくいただきました。
この1ヶ月間、あたたかく受け入れてくださり、恵まれた環境で研修させていただきました。平戸市民病院の皆様に、深く御礼申し上げます。