初期研修医

堀 真美 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
堀 真美 堀 真美
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
平成31年1月4日~平成31年1月31日
(平戸市民病院)

 1月の1ヶ月間、平戸市民病院で研修をさせていただきました。普段研修している病院での研修は、専門分野での急性期疾患と救急外来がメインであり、慢性期疾患や予防医学も大きな割合を占める平戸市民病院での1ヶ月は、新しい発見の連続でした。
 平戸には地域医療の最先端があるという院長先生の言葉が印象的です。患者さんが必要としていることを汲み取り、仕組みが確立していなかった頃から訪問診療や予防医学など新しい取り組みを続けられてきたお話や姿勢は鮮烈に記憶に残りました。全国的に高齢化率が高まっていくなかで、平戸などで行われている医療の形は、全国に広がっていくのだろうと思いました。
 日々の外来診療では、家庭医、総合診療を体感することができました。はじめて参加したカンファレンスでは、先生方がそれぞれ多分野の疾患を担当されていることに驚きました。身体所見に精通し、様々な主訴から診断をつけて治療まで行い、必要なタイミングで専門科に繋ぐ現場は、同席させていただきとても勉強になりました。訪問診療では、地域医療の役割分担や流れを理解することができました。外来で診ていた患者さんの通院がADLの低下等により難しくなった場合は訪問診療に切り替え、さらに処置等が必要となった場合には訪問看護を用い、必要に応じて施設を併用すると言った流れを、訪問看護師さんやケアマネージャーさんからお話を聞いて実感を持って学ぶことができました。
 また平戸の方々の温かさ、人の繋がりも忘れることができません。医師や病院スタッフの方が、患者さんの疾患だけではなく家族構成や職業、住宅環境などもよく把握されており、患者さんと家族ぐるみでお付き合いされているような印象がありました。患者さんの「ここに来れば安心」「先生に言われるなら頑張るよ」という言葉は何度も耳にする機会があり、病院が地域に密着し患者さんの健康を守っていることを実感しました。訪問診療先では、毎月新しい先生が来るのが楽しみなんだよ、と言ってくださる方がいらっしゃったりと、研修医のことも皆様温かく迎えてくださり、心が温まりました。患者さんや病院スタッフの方から食べるべきもの、行くべきところをたくさん教えていただき、1ヶ月かけて平戸の自然の恵みを満喫することができました。
 とても貴重な1ヶ月を過ごすことができました。平戸で学んだことをこれからに生かしていきたいと思います。上級医の先生方、病院スタッフの皆様、研修医の3人、患者さんとそのご家族に深く感謝いたします。ありがとうございました。