初期研修医

平野 太一 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 済生会長崎病院)
平野太一 平野 太一
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 済生会長崎病院
令和2年9月28日~令和2年10月23日
(平戸市民病院)

1か月間の平戸市民病院での研修を終えて、普段研修をしている済生会長崎病院との違いを様々な点で感じ、地域での医療の特色や難しさを考えさせられることとなった。
 外来につかせていただいた際には、外科外来であるにも関わらず、高血圧のコントロールのみを行っているような内科的な診療を行っていることが多々あった。先生に話を伺うと一度、外科として担当した後に内科的な治療のみとなったが、患者さんのかかりつけが平戸市民病院であり紹介できる開業医などがないこと、患者さんが先生の診療を希望していることなどにより担当を続けているということであった。地域での診療においては自身の専門としている診療科以外の内科外科を問わない幅広い知識も十分に備えている必要があると感じた。
 また、夜間の当直ではCTなどの画像検査だけでなく、血液検査などを行うにしても技師さんの呼び出しが必要となってしまう。当直時の患者数自体は多くはないが、今まで検査結果を頼りに重症度などを判断していたが、地域医療では詳細な問診や身体診察を行うことで本当に検査が必要な患者であるのかを判断する必要があり、今までには感じたことのないプレッシャーがあった。
 救急では急性心筋梗塞を2例経験することとなったが、心筋梗塞の治療を当院で行うことができず、さらにPCIが可能な病院への搬送は救急車で1時間以上かかるため、心筋梗塞であるという診断を可能な限り早く行い、診断がつき次第ドクターヘリへ搬送が可能かを確認することが患者の予後を大きく左右するものであると感じた。
 地域医療では設備的にできないことがあるが、先生方の工夫により使える設備で最大限できることを補っていたり、本当にできないことに関してはしっかりと線引きが行われていることが分かった。
 最後となってしまいましたが、今回の平戸市民病院での研修を快適に過ごすことができことは指導医をはじめとして、サポートしていただいたすべてのスタッフの方々のおかげです。1か月間と短ではありましたが本当にありがとうございました。