初期研修医

平川 博章 (社会医療法人 神鋼記念会 神鋼記念病院)
平川博章 平川 博章
社会医療法人 神鋼記念会 神鋼記念病院
令和2年3月30日~令和2年4月24日
(平戸市民病院)

 研修医2年目になり、初めて自分のいた病院から出て、他所の病院へと研修させていただいたのがこの平戸市民病院でした。研修開始当初は地域医療のイメージはコトー先生がやっているようなものという大雑把なイメージしかなく、正直ほとんど無知に等しい状態でした。しかし、この1か月で平戸市民病院の先生方をはじめとしたスタッフの方々、また地域の方々に、この土地での医療形態や暮らしの話をしていただいたことで、地域医療に対するイメージや考え方が大きく変わりました。
 研修前は都市部の医療こそが最先端であり、やはり研修をするならば都市部の病院だけでやっていくべきだという考えが少なからずありました。しかし、今後日本が超高齢化社会を迎えるにあたって、医療や介護などの介入をどのように行うべきかという考え方をこの地域医療研修で学び、そして気づくことができました。平戸では都市部以上に高齢化が進んでおり、老々介護の現場も多く見受けられました。そういった環境はまさしく、今後の日本が迎える高齢化社会の縮図であることを実感しました。多少大げさかもしれませんが、少なくともこのような環境を現場で学ぶことができるのは、都市部ではなく、平戸のような地域ではないかと思います。都心部だけが一貫して優れているという考え方はかなり変化しました。
 地域医療の明確なイメージがなかった自分でしたが、この現場での研修を通して、地域医療に対する見方を変えることができ、また偏ったイメージを変えることができたことは大きな成長であると思います。このような現場でいただいた知識や考え方を存分に生かすことのできるように、努力していきたいと思いました。
 最後にこのような新型コロナウィルスという未知のウィルスが蔓延しており、病院の対応にも追われているようなお忙しい時期にもかかわらず、何一つ嫌な顔せずに時間を割いて色々とご教示いただいた先生方をはじめとする病院スタッフの方、地域の方に御礼申し上げたいと思います。1か月間という短い間ですが本当にありがとうございました。