初期研修医

土師 達也 (独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
土師達也 土師 達也
独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院
平成27年6月1日~平成27年6月26日
(平戸市民病院)

 私は横浜でも田舎の方の出身なので、実家の周りには森や田んぼ、酪農もありましたが、どこまでいっても田んぼ、夜になると19時なのに誰もいない、真っ暗という経験は初めてでした。すごいところに来たなと思った平戸市民病院。医療の面でも、大きな違いがありました。
 まず感じたのは、患者との距離の近さ。みんな顔見知りで、誰が誰々の息子だとか、ふだんはどんな生活をしているのかよくわかっている。都心の病院ではありえません。
 健診に力を入れているのも違いでした。横浜労災病院も労災病院として健診には力を入れていますが、健診部が独立して診療しています。健診自体が初めての経験でした。
 また、病院として訪問診療を行っているのも特徴的だと思います。横浜では訪問診療は開業医やクリニックが主体となって孤軍奮闘しているのみです。入院診療と外来診療、訪問診療を全て同じ医師が担当して行える環境を持っている病院はかなり少ないのではないでしょうか。
 一番に心に残ったのは押淵院長の外来の見学です。院長は外科なので、外科外来なのですが、なんでも来ます。糖尿病だけの患者も来ます。生活指導もします。そして腹痛などなくても、腹部エコーをさっと当てます。患者が知りたいのは全身、病気か、病気じゃないか、そしてどうすればいいのかということ。外科外来だとしても、患者の健康を守るという観点から考えれば、当然のように糖尿病の管理はしなければならないし、たとえ症状がなくても、無症状の病気が隠れてないか、さっとエコーを行う。今後、専門診療の道に進んでも、そういう姿勢で診療したいと思います。
 1ヶ月はあっという間でしたが、ご指導ご鞭撻頂いた医師や看護師、その他大勢のスタッフの皆様ありがとうございました。