初期研修医

花谷 拓哉 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 済生会長崎病院)
花谷拓哉 花谷 拓哉
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部 済生会長崎病院
平成30年6月4日~平成30年6月29日
(平戸市民病院)

 私の出身は福岡で、大学から長崎にお世話になっておりますが、今回地域医療の研修で初めて平戸を訪れました。
 6月3日に平戸入りしてから、4週間地域医療を充分に堪能し、非常に有意義な研修を送らせていただきました。平戸市民病院での研修で特に印象深かったことをいくつか述べたいと思います。
①患者さんとの心の距離が近い
 何気ない世間話から始まる定期の外来は新鮮で、思わず頬がゆるみました。新鮮なお野菜ありがとうございました!
②高齢者が若い
 高齢者と言っては失礼ですが(すみません)、真っ黒に日焼けし、元気に病院を受診されるADLの保たれた高齢者が多いように感じました。
③先生方が何でも診療される
 臓器別の診療科にとらわれず、例えば内科の先生が小児や外傷の患者さんも診られ、大変勉強になりました。いわゆる”ジェネラル”な姿に憧れます。
④身体所見の重要性を改めて認識した
 こちらに来るまでは、採血やCTなどの検査に走りがちでしたが、外来で先生方が熱心に診察される姿を目の当たりにして痛感しました。また、夜間は検査技師さんが病院に常駐していません。何でも検査できるという環境ではなく、頼りになるの自身の身体所見であるため、改めて自分の診察能力を振り返り、勉強し直す絶好の機会です(もちろん検査が必要と判断すれば、技師さんを呼び出すことはできます)。
⑤超音波検査を使う機会が非常に多い
 こちらの先生方は超音波検査をよく使われます。我々研修医も毎日健康診断の患者さんに当てさせていただく機会をいただいています。ぜひともモノにしたいです!
⑥すべての医師が入院患者さんを知る機会がある
 新しく入院となった患者さんが主治医の診療科にかかわらず、毎朝のミーティングで取り上げられ、すべての医師が入院患者さんの情報を共有しています。初めての光景で平戸市民病院ならではだと思いました。
⑦訪問診療や訪問看護、通所リハなど地域に密着した医療を経験できた
 通院が困難な患者さんでも医療スタッフが自宅に訪問したり、お迎えに行くことで、医療を提供し、病院を受診できなくても患者さんの状態を把握できます。
 などなどです。もちろん、肉や魚が美味しすぎたり、海がキレイすぎて6月なのに何度も泳ぎに行ったり、ワールドカップを病院スタッフさんと一緒に観戦したりと時間外も存分に満喫しました。
 平戸市民病院での研修で地域に寄り添った医療に触れることができ、あまり身近に感じていなかった地域医療に関心を持つようになり、長崎県内の医療に貢献したい!と思う気持ちが強くなりました。現在、平戸市民病院には常勤の整形外科医がいないため、将来成長して整形外科医として平戸市民病院に戻ってきて、大変お世話になった平戸市民病院や平戸の住民の皆様に恩返しができたらなと密かに夢見ております。そのときはどうぞよろしくお願いいたします。
 最後になりましたが、粘り強くご指導いただいた中桶先生をはじめとした先生方、度島さんをはじめとした病院スタッフの皆様、一緒に研修した今井さん、村岡くんには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました!また、研修に来たいと思います。