初期研修医

福﨑 剛広 (独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院)
福﨑剛広 福﨑 剛広
独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院
令和3年3月1日~令和3年3月19日
(平戸市民病院)

 私は3月の1ヶ月間を平戸市民病院で研修させていただきました。
 この1ヶ月振り返ると、本当に様々な経験をさせていただきました。外来での診療の陪席や初診外来、通所リハビリの見学や、実際に訪問診療に参加させていただきました。また、健康診断での腹部エコーや当直業務中のレントゲン及びC T検査の撮影など日頃コメディカルの方々が行っている業務をさせていただいたことは貴重な経験になりました。
 特に印象に残っているのは訪問診療と健康診断です。訪問診療は病院に通うことのできない方々に対して定期的に月1回程度、自宅や施設に医師と看護師で訪問し、問診や身体所見、服薬状況などを行いました。診察器具が聴診器しかない中、心音や呼吸音に細心の注意を払い診療することで、自分の日頃の診療が血液検査や画像検査に頼りがちであることを改めて気付かされました。地域医療ならではの診療であり、医師と患者の信頼関係を築きやすい診療だと思いました。
 健康診断では、生活習慣の問診を行い、スクリーニングの腹部エコーを行いました。有意な所見のない、健康な患者の腹部エコーを行う機会は、私は今までほとんどなかったため、エコー手技の難しさを改めて感じました。外来陪席では、院長の外来業務で30年来かかりつけの患者も受診しており、地域で長い間診ている信頼関係には驚かされました。外科外来でありながら、主訴は様々であり総合的な診療を行う必要があり、地域医療の大変さも実感しました。
 また、私自身、今年の4月から整形外科に進むこともあり、外来業務で整形外科疾患の方を診させていただいたのは、本当に勉強になりました。地域医療圏での整形外科疾患の症例は予想よりも多く、総合診療における整形外科のニーズは思っていたよりも大きいことが今回の研修で分かりました。
 平戸は自然豊かで景色も素晴らしく観光名所もあり、何よりお魚やお肉美味しく、1ヶ月間では堪能しきれないくらい魅力のあるところでした。
 最後になりましたが、先生方をはじめ、看護師など多くのスタッフの方々に暖かく接していただき、とても有意義な時間を平戸で過ごせました。毎日様々な学びがあり、楽しく働くことができ、地域医療を経験できたことは今後の人生にいずれ役立つと思います。ありがとうございました。