初期研修医

藤田 拓郎 (長崎大学病院)
藤田拓郎 藤田 拓郎
長崎大学病院
 平成25年9月30日~平成25年10月25日
 (平戸市民病院)

 今回、平戸市民病院にて1ヶ月地域研修をさせていただき、大変有意義な研修ができたと思います。平戸市民病院では、漫然と病院にきた患者さんを診るだけでなく、病院から地域の健康増進に介入していくことの重要性、そして患者さんの生活に寄り添った医療を提供していくことの必要性を感じました。
 平戸に来て感じたのは、病院と患者さんの距離が近いということでした。正しく言うと、病院とその地域に住んでいる人の距離が近いということかもしれません。必ずしも病気になってなくても、健診のために病院に来られている人もたくさんいましたし、出前講座などで地域の公民館に健康講話を聞きに来られている人もいました。これは病院の役割が、ただ病気の患者さんを治すということではなく、病気の人を生まない環境(地域)作りということもあるのだと、再認識させられました。そして、病気を生まない地域を作るためには、地域の人の生活に病院から介入していくことが大切なことだと考えさせられました。しかし、ただ頭ごなしに住民の生活に介入して医学的に正しいことをしたとしても、それは地域の人々には受け入れられないことが多く、やはり住んでいる人の生活や考え方を理解した上で行われていく医療でなければ地域では受け入れられないのだと考えました。
 地域研修で平戸に来て、なぜ地域研修が初期研修医の必修科に含まれているのかよく分かった気がします。大学病院のような通常の研修病院で各科ローテーションをしているだけでは見えない世界が見ることができたと思います。1ヶ月という短い期間でしたが、大変いい経験ができました。今後、後輩の研修医達には、「地域研修は平戸を選びなさい」と胸を張ってアドバイスしたいと思います。押渕院長をはじめスタッフの皆様、本当にありがとうございました。