初期研修医

遠藤 友理 (東京大学医学部附属病院)
遠藤友理 遠藤 友理
東京大学医学部附属病院
平成30年4月2日~平成30年4月27日
(平戸市民病院)

 私は2年目の4月に平戸での実習をさせていただきました。
 地域実習に平戸を選んだ理由は、去年平戸で実習をした先輩から「長崎、楽しかったよ」と言われたことがきっかけでした。九州に来たことが無かったので、「じゃあ長崎にしよう」と安易な気持ちで選択しました。ところが、実際に病院までの行き方を調べてみると、長崎空港からバスで4時間以上かかることが分かりとても驚きました。生まれも育ちも東京の私が、1ヶ月も暮らしていけるだろうかと不安を抱えながら来たことを覚えています。しかし、実際に平戸に来てみると、意外にも“都会にあって、ここには無いもの”より、“都会に無くて、ここにあるもの”の方が多く、あっという間に過ぎ去った一カ月でした。
 普段の研修病院では経験できない、外来や訪問診療・健診・学校検診など多くのことを経験させて頂きました。中でも勉強になったのは外来診療でした。特に、定期受診の方の外来は難しく、「特に困っていることはない」「体調は変わりません」とおっしゃる方々をどのように診療したら良いのか、最初のうちは戸惑うことばかりでした。しかし、1ヶ月間先生方の外来を見学させて頂き、何気ない会話の中からその人の生活状況などを把握していく手法を学ぶことができ、最初の頃と比べると格段に情報量の多い問診をすることができるようになりました。
 また、訪問診療を始めとする病院外で患者さんにお会いする機会が多かったことも勉強になりました。実際にご自宅を訪ねてみることで、患者さんの生活環境・家族関係などについてついても心を配らなければいけないということを学びました。平戸に来て、患者さんの病気の側面だけでなく、患者さんという一人の人間を診ていく姿勢について学べたことは大きかったです。
 一か月間大変お世話になりました。とても充実した実りの多い一カ月でした。後輩の研修医に地域実習どこがオススメですか、と聞かれたら迷いなく「平戸」と答えたいと思います。