中鉢　亜弥
	社会医療法人 神鋼記念会 神鋼記念病院 平成31年2月4日～平成31年3月1日 （平戸市民病院）

　私の研修先の神鋼記念病院は代々、研修医全員が平戸市民病院でお世話になっております。そのため行く前から先輩達からその評判を聞き、楽しみにしておりましたが、先輩方のお言葉通り大変有意義な研修になったと思います。
　今回の研修で特に印象的であったのは訪問診療です。これまで医療とは病院の中で行われるものという概念が無意識に染み付いていたため、患者さんが自宅医療を希望され、容体が安定していれば往診や訪問看護という方法が取られている事は新鮮でした。訪問診療で実際に患者さんのお宅に伺うと、診察室ではみる事の出来ない背景をリアルに感じる事ができ、患者さん1人1人に沿った医療のあり方を再確認する機会となりました。また、訪問診療での患者さん達の笑顔を見て、訪問診療を通して大きな安心感を与えるという、医療の違った意義も実感する事が出来たと思います。
　病院内でも外来、入院を通して患者さんの診療をする機会を設けて頂きましたが、そこでもまた大きな違いがありました。診療科が細かくわかれ、科毎にローテートする形ではなく、平戸市民病院では内科・ 外科と大きなくくりがあるだけで一人の先生が広い分野をカバーされていました。科毎のローテートでは同じ臓器を集中的に診る事になるため、鑑別診断なども偏りがちになる危険性がありますが、ここでは診療科の垣根を超えたプライ マリ・ケアが行われており大変勉強になったと思います。
　最後になりましたが、平戸市民病院をはじめとする多くの施設の先生方やスタッフの皆様には、お忙しい中、1 ヶ月という短い期間ではありましたが、大変お世話になりました。皆様から頂いた貴重なお話は今後の医師形成の中で、必ず大きな糧となることと思います。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。