初期研修医

有野 裕介 (独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院)
有野裕介 有野 裕介
独立行政法人 労働者健康福祉機構 横浜労災病院
平成25年6月3日~平成25年6月28日
(社会医療法人 青洲会病院)

 このたび地域医療研修にて1カ月にわたり平戸市の青洲会病院にて研修させていただきました。普段研修しております横浜労災病院からの派遣第一号ということで期待と不安と織り交ざった気持ちで平戸の地にたどりつきました。
 到着して間もなく先生・スタッフの方々をはじめ皆様快く迎えてくださり、訪問・離島医療・福祉施設の見学・コメディカルの方々の仕事の見学など、研修内容も非常に充実していました。あっという間の1カ月であったと思います。
 なかでも離島や平戸市内の往診・看護・リハビリといった訪問診療に同席させていただいたのは私にとって非常に大きな経験でした。平戸には様々な生活環境の患者さんがいて、どうすれば少しでも患者さんにとって有意義な医療サービスになるのかを多くの職種の方が一心に取り組んでおられました。普段意識しつつも難しい、実生活に基づいた患者中心の医療サービスを提供していく、という場面をありありと実感させていただくことができたと思います。また、医療設備などが限られた環境の中で診療していく際には自身の臨床能力を高めることで補う必要があり、これまで以上に一つ一つの身体診察の重要性を実感しました。さらに在宅での老老介護が多いことなど、これからの日本全体で問題となっていくであろうことを考えさせられる日々でした。
 この1カ月間で「患者中心」という医療の根本を再確認できたと思います。平戸で過ごした時間は、これから医師として過ごしていく長い時間の中でも忘れられない特別な時間になっていくと思います。最後になりますが、一研修医に過ぎない私を暖かく迎え入れてくださり、充実した研修を送らせていただきました青洲会病院の皆様に心より御礼申し上げます。