初期研修医

安藤 智 (東京大学医学部附属病院)
安藤 智 安藤 智
東京大学医学部附属病院
平成31年2月1日~平成31年2月28日
(平戸市民病院)

 私は2月の一ヶ月間を長崎の平戸市民病院で研修させていただきました。長崎に行くのは初めて、九州すら1回しか行ったことがなく、東京生まれ東京育ちの自分にとってはほとんど未知の世界に行く気分でした。自宅を出て羽田空港から飛行機で長崎空港に着くまでですでに4時間、その後佐世保についた頃には夕方になっていました。そこから更に平戸桟橋を経由し病院に着いたときにはすっかりあたりは夜の闇に包まれていました。見えるのは民家の微かな明かりとたまに通り過ぎる車のハイビームの光のみ、満天の星空の下を自分の足音しか聴こえない道を歩きながら、明日から始まる研修と初めて会う先生方に少し緊張したのを覚えています。
 2年間大学病院での研修であった自分は、地域医療研修として貴重な経験をすることに加え、市中病院での初めての研修ということで、勝手の違いに戸惑うことを予想していました。
 初日の午前中は訪問看護に行きました。地域の高齢者が退院後にどのような生活を起こっているのかを目の当たりにし、知識としてはなんとなく知っていたつもりのことが、現実は老老介護で家計もなんとかやりくりしておりギリギリの状態であることを知りました。
 病院の職員は暖かく、1ヶ月しかいない自分たちにも内科や外科の垣根を超え優しくしていただきました。周囲の人の多くの支え、頑張りによって地域の生活が回っており、今回の研修で経験したことが、今後の自分の医師生活の糧になればよいと感じました。
 最後に一ヶ月間お世話になった平戸の方々に御礼を申し上げます。ありがとうございました。