初期研修医

鷲峯 紀人 (長崎大学病院)
鷲峯紀人 鷲峯 紀人
長崎大学病院
平成31年1月7日~平成31年2月1日
(平戸市民病院)

 私は2019年1月に平戸市民病院にて1カ月間研修をさせていただきました。私は佐世保市出身であり、始めは平戸や地域医療のことを比較的知っているのではないかと考えながら、地域研修をスタートさせました。しかし、研修を終えて、振り返ってみると実際は自分の認識とは大きな差がありました。その中でも特に驚いたのは地域病院の果たすべき役割の多さでした。1カ月の研修期間中、新患外来、定期外来、病棟業務、訪問診療、訪問介護、通所リハ、訪問リハなど様々な研修をさせていただきましたが、そのどれもが地域住民のことを考え、運用されており、地域に根差した幅の広い医療を体感することができました。また、これだけ多様な役割をこなすために各職種が高い意識を持ち、連携している点にとても感銘を受けました。日本に地域医療圏は数多くありますが、その中でも平戸は地域医療の充実のために多くの取り組みを行っていることが分かり、大変勉強になりました。押淵院長先生や理学療法士の大石先生から地域医療だけでなく、将来の日本の医療に目を向けたお話を聞き、日常診療に従事しながら長期的な視点を持つことの大切さを知りました。
 次に自分自身の研修についてですが、大学病院で研修を行っていることもあり、患者年齢層や病院での仕事内容の差にとても驚かされました。ただその分、得るものも多く、経過を見ていくことの意義や専門科にとらわれないジェネラルな視点の大切さを学びました。また、平戸では医療従事者と患者や患者家族との距離が近く、患者背景や生活をイメージしやすいという点も地域医療ならではだと感じました。
 仕事以外の面では、平戸の景観や食事を十分に堪能しました。ほぼ毎日、仕事後に研修医同士で食事をし、川内峠を始めとする様々な景観に癒され、1カ月の研修期間はあっという間に過ぎていきました。また、研修医住宅や研修環境も素晴らしく、不自由なく過ごさせていただきました。
 最後に、研修病院の違いに戸惑うことも多い私でしたが、平戸市民病院の先生方や一緒に研修をした2年次研修医、度島さんやその他多くのスタッフの皆様に支えられて無事に研修を終えることができました。また、平戸地域の方々に関しても、多くの場面で自分の拙い診療を温かく見守っていただきました。ここで学んだことを今後に生かし、日々精進していきたいと考えています。研修で関わったすべての方にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。