初期研修医

上原 朋子 (横浜市立市民病院)
上原朋子 上原 朋子
横浜市立市民病院
平成29年10月2日~平成29年11月2日
(平戸市民病院)

 横浜の寮を出発し10時間、飛行機と3本のバスを乗り継いでたどり着いた平戸市民病院は、地理的には島の中心であるものの、平戸の市街地からも遠く離れた場所に位置しています。赤い橋と稲穂のそよぐ黄金の田畑、オレンジ色のコスモスで彩られた秋の島は美しくも寂しく、地域医療を学びに来たことを実感させてくれました。
 1ヶ月の研修では、外来や訪問医療、離島研修、健診などを経験させていただきました。都市部の急性期病院の医療と異なる部分も多く、戸惑いを感じることもありましたが、平戸では患者さんと医療者の関係が近く、地域全体で患者さんを支える暖かさがありました。患者さんの自宅に伺うと住んでいる環境や本人の性格、周囲との関係性、さらにはその人がどんな人生を歩んできたのかを垣間みる事ができました。急性期病院での診療は対症的で、普段いかに「疾患を診る」ことにばかり目がいっていたかと反省しました。残りの研修生活を終えたら専門診療科への道を歩むこととなりますが、「人を診る」という視点を忘れずに精進していきたいと思います。
 また、病院内では医療スタッフ含め職員さん皆さんがとても優しく、慣れないことばかりで戸惑う研修医に全力のサポートをして頂き、安心して研修を行うことができました。そして同時期に共に研修をした研修医と毎週末、大雨・台風のなか九州各地を旅行できたことは、あまりに楽しく忘れることのできない思い出となりました。
 末筆となりましたが、平戸の母・度島さんをはじめ職員の皆様、先生方、コメディカルの皆様、他研修を支えて下さった全ての皆様、大変お世話になりました。この場をお借りし心より御礼申し上げます。