初期研修医

菅江 宏樹 (独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院)
菅江宏樹 菅江 宏樹
独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪労災病院
平成30年3月5日~平成30年3月20日
(平戸市民病院)

 3月の約1ヶ月間、平戸市民病院で地域医療研修をさせていただきました。
 平戸での研修内容は多岐に渡り、外来や当直での救急外来対応はもちろん、職場健診や乳児健診、訪問診療・看護、離島実習など大阪では経験できないようなことを数多く経験させていただきました。
 研修を通して非常に印象的だったのは、医療関係者と患者様の距離が非常に近いということです。家族ぐるみで平戸市民病院にかかっている患者様も多く、先生方も患者様と親密な関係を築き、家庭、居住環境や家族のサポート体制など緻密に把握しておられました。また訪問診療では患者様の奥さんの腰痛を診察してあげていたのが印象的で、小さい頃の「お医者さん」のイメージにぴったりでした。急性期かつ専門性の高い病院で勤務していると、ともすれば専門の疾患ばかりに目が行きがちですが、「人を診る」という姿勢の重要性に改めて気付かされました。
 また訪問看護や訪問リハにも同行させていただき、自分が普段大阪の急性期病院でみている医療は、医療全体のほんの一部でしかないことを痛感しました。急性期病院を退院した後、予防や慢性期、回復期の部分は開業医や在宅医、慢性期病院が担っており、患者様の人生を通して考えればその領域が非常に大きな割合を占めていると考えられます。どのような医療機関で働くにしても、医療全体の中での自分の役割、ポジションを意識することが非常に重要だと思いました。
 短い間でしたが、本当に貴重な経験をさせていただきました。平戸で体感した病気ではなく人を診るという姿勢を必ず忘れずに今後も研鑽を積んでいきたいと思います。
 最後になりますが、一か月間貴重な経験をさせていただいた平戸市民病院の関係者の方々、平戸市民の皆様に厚く感謝申し上げます。