初期研修医

篠遠 朋子 (独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院)
篠遠朋子 篠遠 朋子
独立行政法人 労働者健康安全機構 横浜労災病院
平成29年6月5日~平成29年6月30日
(平戸市民病院)

 今回、平戸市民病院で1カ月間研修させていただきました。私は普段は急性期病院で入院患者の治療にあたっていますが、平戸市民病院では主に外来や訪問診療・訪問看護、住民健診などを経験し、初めは戸惑いの連続でした。
 その中で最も考えさせられたことは、診察だけで医師として自分に何ができるのかということでした。訪問診療や健診では、聴診器だけで病院から離れた場所で患者と向き合わなければならず、初めは心細く感じました。自分が普段どれほど血液検査やCT等の画像検査に頼って診療を行っているかを実感しました。特に訪問診療では、患者を診察し、この患者は1か月後も変わらずにいられるのだろうか、自分が「大丈夫」という判断を下してよいのかということを非常に悩みました。その中で、訪問看護やケアマネジャーの方の訪問での気づきが、大きな役割を担っていると感じ、チーム医療の一つの在り方を見た気がしました。
 また、今回健診にも多く関わらせていただきましたが、予防医療という今まで自分がかかわってきた医療とは異なった医療に触れることができました。押淵先生をはじめとした先生方が健診の中で、生活習慣の見直しの場として指導を行っている様子が印象的でした。押淵先生がおっしゃられた、「元気老人を排出する」ための一つの方法として、病気の早期発見だけでない別の意義を感じました。  平戸は本当に自然が美しく、訪問に出かけるたびに美しい海や山、棚田の風景に目を奪われました。最後になりましたが、平戸市民病院の先生方、度島さん等事務の方、看護師・技師の方々などお世話になったすべての方に、この場を借りて御礼を申し上げます。