初期研修医

大塚 悠介 (独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター)
大塚悠介 大塚 悠介
独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター
平成30年4月2日~平成30年4月27日
(平戸市民病院)

 今回研修先の病院の地域研修プログラムにて一ヶ月間平戸市民病院でお世話になりました。
 一ヶ月いて様々な刺激的な体験をさせていただきましたが、特に訪問診療、訪問看護、訪問ケアなど病院から離れて在宅での様々なケアを見学、実践させていただいた時が非常に印象的でした。
 病院で行なっている慢性期外来と併せて、「病気になる前の人、なった後の人」をフォローして病気になる前にすくい上げる ということを実際に行なっている現場を初めて目の当たりにしたのですが、特に訪問診療や訪問看護などは本人の身体的制約に加えて介護者の都合などの社会的制約で通院が困難になってしまった人のところにも行くわけですから単にその人の疾患だけでなく生活環境などの社会的背景も考慮しなければならない状況が多いなと感じました。また入院患者の退院後のフォローなど考える時も同様に、最適な医療を今後も行なっていくために患者さんやそのご家族の状況を鑑みて、福祉や介護の面も併せて考え、ケアマネさんや作業療法士さん、栄養士さんなどに相談させていただく機会も多く、「良質な医療的ケアに繋げるために社会的状況もバックアップしなければならない」ということ、これが地域包括医療ってやつかと身に染みてわかりましたし、医者がそのリーダーとして、主体的に関わって行く必要性もまだまだ少しだけですけど理解することができました。
 訪問診療の時に「こうして訪問に行くのって外来で患者さん見るのに比べて予算も時間もかかるんだけど、やっぱり必要なんだよね」と言いながら一軒一軒丁寧に回る先生方の姿に地域医療の難しさと可能性みたいなものを強く感じさせられました。
 まだ自分の進むべき方向が定まっていない研修医の時にこの様な研修ができたことは本当にいい経験だったと思います。これからどの様な道に進むにしろここで学んだ経験をしっかり活かせる様努力していく所存です。
 一ヶ月という短い間でしたがたくさんの方にお世話になりました。
 平戸で研修できてよかったです。本当にありがとうございました。